庭づくり
庭のある暮らし
木の紡ぐ時の流れと暮らす住まい
スタジオではどんなに敷地であっても、プランニング時に庭も一緒に計画をし提案させていただいています。それは住宅とは生活を豊かに包み込む器であるべきだ、と考えるからです。その豊かさを得るために必要不可欠で最もお手軽な方法が「庭のある暮らし」です。
スタジオの提案する庭は形式ばった社寺のような庭園ではく、手のかからない雑木の植わった里山のような庭です。
日本の在来種であるコナラ、タモ、モミジやヤマボウシなどの高木落葉樹。カシ、ソヨゴなどの高木常緑樹。ヤマブキ、ツツジ、ムラサキシキブといった低木たち。いろんな種類の雑木を組み合わせて景色をつくっていきます。
可能ならば大きな樹を複数本。
そして実のなる樹も一緒に植えることをお勧めします。
手のかからない雑木達との気ままな暮らし
敷地条件はそれぞれ違いますので、「大きな樹」という基準ももちろん変わってきます。
でもその敷地に植えることのできる可能な限りの大きな樹を、家づくりのタイミングで植えることをお勧めします。
大きな樹は夏の日射を遮り、木陰を提供してくれます。実のなる樹は自然の恵みと家族のだんらんを。
落葉樹なら冬には葉を落とし、日射を室内へ導きます。春には新芽のさわやかさ、秋には燃えるような紅葉と、日常生活で忘れがちな季節の変化を感じさせてくれます。一方常緑樹は季節を問わず視線を適度に遮り、落葉樹の落葉した冬季にも視線を外へ向けるきっかけを作ってくれます。
また、樹を植えた地面は植物の蒸散効果により冷やされ(気化熱)、風を生み出します。
機械に頼らなくても、快適に暮らせる環境を頼んでもいないのに勝手に用意してくれます。
せっかく新しい住まいを手に入れて、快適な暮らしを営もうというのに、コンクリートで固められた環境で暮らすなんて寂しくないですか?
難しく考えず「大きな樹」を、可能ならば「実のなる樹」も一緒に植えてみてください。それだけで効果覿面。生活が何倍も豊かになります。
雑木の彼らは大きくなりすぎたら細い幹を残して根元から伐採すればいい。春には健気に再生してくれます。そうやって少しだけ手をかけてあげることで長い時間、ずっと一緒に暮らしていくことができます。地植えにして根が安定したら水やりもほとんど必要なくなります。
こんなに手のかからない、気の置けない相棒をそばに置いておかない手はありませんよね。
一緒に働く仲間たち
家具づくり
住まいと一緒に木の家具もしつらえる
家具は生活を共にするパートナーです。
住まいづくりをするなら家具も一緒に考えたい。多くの場合は家具にまで頭が回らず、
とりあえず当面は今使っているものを…
量販店でササっと揃えればいい…
と思われてしまいがちな家具ですが、生活の中で一番長い時間を共に過ごすパートナーである家具は家づくりと同列・同時進行で検討していきたい。
ダイニングの椅子一つをとっても、座ったときの高さはどれぐらいが心地よいのか、座面は堅めがいいのか、柔らかめがいいのか。肘置きは必要なのかなどなど検討すべき要素はいくつもあります。住まい手の暮らし方、その住まいに合った椅子を選ぶお手伝いをさせていただきます。(必要ならばデザイナーの椅子であろうとも脚を切る提案をします)
椅子を検討するときには併せてテーブルも検討したい。ダイニングテーブルは家族が集う、暮らしの中心となる要の家具です。
既製品で間に合わせるのではなく、是非オーダーでしつらえていただきたい。オーダーで製作をすれば、世界に一つだけの住まい手の生活に寄り添ったテーブルが手に入ります。
また「家具」ではないかもしれませんが、キッチンに関してもオリジナルの製作キッチンを提案させていただいています。
既製品のキッチンを置くのではなく、暮らし方・空間に合ったものを素材から選び寸法を吟味し、しつらえることで住まいと一体となって暮らしを支えてくれます。